これは架空の話ですけど

家でのんびりと仕事をしながら、本当に脱出したのだなあと思う。 何度も書いているけれど本当に今年は精神状態が悪く、世間の情勢の問題がなくとも、今年の初めにはもう酒を飲んではキレたり泣いたり吐いたり倒れたりろくでもない振る舞いをしていたわけで、つまりわたしはちゃんと限界を迎えていたということであった。期限付きのたった1年でさえこの有様で、だからわたしはその業務の苛烈さを身をもって知っている。

わたしが異動する前に担当していたサービスは今も変わらず人の心身の健康を削り取りながら動いている。そこには現代の生贄文化がある。わたしはそれのことをいつからか泥舟と呼称していた。乗っている限り救いはなく、身代わりを置いて脱出することでしか楽になれない。わたしも、これまで自分を支えてくれた仲間を身代わりにして、犠牲にして、見殺しにして、自分だけが生き残るためにここを去るのだ。盆の水をぶちまける役目をやるにはわたしが一番適当だったのかもしれないのに。

サバイバーズ・ギルト - Wikipedia

早く楽になりたい。これはどこまでも自分のための祈りである。支え合って生きてきたはずの誰かの屍の上でひとり得る安楽はどこか心苦しい。