チームリーダーになりたくない

って最初に言ったんですけど任されてしまいましたね。
リーダーを任されて数ヶ月、いろいろ考えた話。

そもそもチームリーダーはいないはずでは?

スクラム開発にいるのはプロダクトオーナーと、スクラムマスター、チームメンバー。
スクラム開発にはチームリーダーはいない。

が、スクラムやってるはずのうちの会社、なぜかチームリーダーがいる。
リーダーの仕事はスクラムマスターの領域が近いけれど、実際の作業もやっているのでチームメンバーでもあるかんじ。バックログはチームで出している。POは誰だかよくわかんない。

なので実際、リーダーはただのスーパーマン
要件からバックログのタスクにする。調整して、みんながタスクに集中できる環境をつくってあげられる。コード書いてタスクを燃やせる。なんでもできる。リーダーすごいよ。スクラムの全役ひとりでやってるのでは?

というわけでうちのチームリーダーはなんかすごい。

模索、チームリーダーはなにをするのか

さて、リーダーやってねって言われたけど、すごいので、なにから始めればいいのかさっぱりわからない。
迷走して、プロジェクト開始からしばらく、PO寄りのスクラムマスターをやっていました。
コード書かない。タスク出しと調整に徹する。
立場がPOになったので、チームと対立する。後から学んでみればこれ自体はスクラムの構図の通りだった。
なんだけど当時はそれを理解してなくて、やってることがPOだったくせにこっちの気持ちとしてはチームの一員だったので、チーム内でギスってる感じになってめちゃくちゃにつらかった
あとコード書かないとやっぱエンジニアとしての自分の成長はどーなんの?って悩んで憂鬱になる。*1

実際、チームリーダーはなにをするのか

今リーダーしてる人たちが思うリーダーの仕事は「プロジェクトの目的のために行動できる人になること」らしい。
当事者意識。プロジェクトを自分のこととする。

チームメンバーという役割

じゃあメンバーはそれをリーダー任せにしてていいの?ってならない?スクラムにおけるメンバーは役割のないその他ではない。チームを作るのはチームメンバーたち自身。
自分たちにそんな役割があることをメンバーは理解しているか?わたしは理解していなかった。それはわたしが働きだして3年経つのに今更こんなことを考えていることに現れていると思う。

これまで見てきたリーダーは調整もできるしコードも書いてて、自分はタスクのことだけ考えてても困らなかった。ただのコーダーであるなら快適かもしれないけれど、現状はそんなチームリーダーに甘えてきた結果。これまでの自分がリーダーに甘えていたボンクラコーダーだったことを認めるしかない。

理想、チームリーダーはいらなくなる

自立的なメンバーによって成り立つ自己組織的なチームにリーダーはいらないはず。

現実、チームリーダーはいなくなる

チームの最初期を作ってきた人たちはいなくなる。わたしはおそらく、経験も知識もなくこのチームで育ってリーダーになる最初のひとになる。
成り立ちが全く違うんだから、いままでと同じようにはできない。これまですごいリーダーたちにしてもらってたようなこと、同じようには、いまのわたしにはできない。

わたしはみんなが知っている「チームリーダー」になれない。

チームリーダーになりたくない

これからもスクラム開発をするなら、そして銀の弾丸の「チームリーダー」になれる人がいないなら、この先はチームリーダーのいらないチームをみんなで作らなきゃいけない。

「プロジェクトの目的のために行動できる人になる」のは、リーダーだけじゃいけない。プロジェクトもチームも勝手には回らない。わたしたちはチームだから、みんながその思いを持ってチームに「なる」必要がある。

だからやっぱりチームリーダーになりたくない。*2
みんなと同じメンバーのひとりとして、みんなでチームを作りたいです。

*1:いまの現場にはコードを書く以外のタスクに対する重みが少ないように感じていて、調整事にかかるコストは可視化されにくいし、ドキュメント作成のタスクが軽んじられている気がする。それは嫌

*2:最初は本当にリーダーになりたくなかったんですけど、それは「チームリーダー」に対するハードルの高さだったと思う。いや無理だからねこんなん!